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ベトナム向け小包発送時の注意点

郵便局の船便、EMS、又はDHL、FEDEX,TNT等一般的な手段で、
ベトナムに小包(書類以外)を送る時の注意点


1.通関検査

税関にて、ほぼ100%の確率で(ダンボール等の)梱包を開けられ、念入りにチェックされます。
空けられるのは良いのですが、中身は非常に乱雑に扱われます。
税関職員は荷物の検査という業務遂行のためのみに力を注ぎ、その荷物に込められている送り人の気持ちに注意を払うことは全くありません。
荷物の受取人はただただ税関職員に憎しみをいだくというムカムカ状態になります。
経済発展で税関の建物はきれいになりましたが、この通関実態は十数年前から変わりません。

(1)ギフトできれいにラッピングされていても、包装紙は手でむしられるように破られます。紙の包装を空ける手段は一般的に手です。
(2)ラッピングがリボン等で飾ってあっても、はさみ、カッター等で引きちぎられ、リボンはハギレになってしまいます。
(3)中身が見える透明ポリ袋で梱包されていても、何が目的なのかわかりませんが、手で引きちぎられ、中身を出されてしまいます。
   セロテープで簡単にとめてあっても、セロテープをはがして中身を出すということはしません。
   ハサミで丁寧に、というようなことを期待するのは100年早いです。
   業務でサンプル等を送付する場合、ポリ袋がそのような状態になりますので、ポリ袋に品記号、仕様等のサンプルの重要情報を書いてはいけません。
   ポリ袋は箱の底のほうでぐちゃぐちゃになっているのが普通です。
   似たような物ばかりが送付されていたら、どれがどれか特定できなくなります。
(4)外側の(ダンボール等の)梱包は、底から開けられます。「こちらを開けてください」と英語で大きな字で明記していても単純に無視されます。

対策:
包装はできるだけシンプルに。
(可能ならば個別包装せずに、外箱を開けたら税関職員が中身を直接手で触れられるように)


2.輸入税等の税金

ギフトでもサンプルでも、受取人名が法人があれば、100%関税がかかります。
(Co., LTD.とかINC.とかが受取人名に付いているかどうかが判断基準です)
個人名であれば、最近は無税の品目が増えていますが、運が悪ければ関税が発生します。

私の場合繊維関連業ですので、縫製品のサンプル(ベトナムで生産するために日本から送られてくる見本)にかかる関税にはいつも驚きます。
縫製品にかかる関税は60%と付加価値税(VAT)10%です。
市場価格をそのまま(インボイス等に)申告されていたら大変です。
例えば「5万円のコート」となっていれば、サンプルなのに、商売になるかどうかもまだわからないのに、後で日本に返送するのに、
50,000円 x 60% = 30,000円 (輸入税)
(50,000円+30,000円) x 10% = 8,000円 (VAT)
合計、3万8千円相当のベトナムドンを支払わなければなりません。


3.受け取り

DHL等の民間以外の郵便小包(船便、EMS)は、「荷物が届いてますよ通知書」が荷受人住所に送られてきます。
外国人の場合、その通知書とパスポートを持って税関付き郵便局まで取りに行かなければなりません。
ベトナム人の場合、その通知書と公安が全国民に発行しているIDカードと住民登録を準備することになります。
住民登録の現住所が荷受人欄に書かれている住所と異なる場合、住民登録をしている公安に行って、荷物受け取りのための証明書を(賄賂を払って)発行してもらい、これを提示しなければなりません。
受け取り準備だけでも大変な手間です。

必要書類が揃った上で、「受け取り申請書」なるものを日本円で数十円で購入し、この申請書と上記必要書類を添えて受け取り手続きに入ります。

書類に不備がなければ、(発生していれば)輸入税等の税金を払って荷物を受け取ります。
混んでいる場合は荷物の受け取りに数時間かかるかもしれません。
ベトナムに住んで日の浅い外国人は、前述の、「人の気持ちを踏みにじる荷物検査」の実態と決して迅速ではない手続きに憤慨して、税関職員に罵声をあげることもしばしばです。

提案:
郵便小包の受け取りには半日あけておきましょう。

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DHL等の民間会社であれば、輸入税が発生する時はその会社が立て替えてくれます。
通関が無事終了すれば、荷受人の住所までデリバリーしてもらえます。
送料は高いですが、受け取りは非常にラクです。


4.ご提案

ベトナムに小包を送るときには、上記の注意事項をよくお読みになり、受け取る人が少しでも(時間的にも金銭的にも)ラクになるよう配慮をしてあげましょう。